先に答えを書きます。サービスの説明ページと、ファンドの個別ページは、書いてあることの性質が違います。説明ページは「このサービスではこういう商品を扱います」という範囲の話で、実際に自分が申し込む条件はファンドごとのページで決まる。LSEED(エルシード)で3か所を突き合わせたら、利回りも募集方式も、説明ページの記述と直近のファンドの表示がきれいには重なりませんでした。これはどちらかが間違っているという話ではなく、読む側が見る場所を間違えやすい、という話です。
LSEEDは株式会社ランドネットが運営する不動産投資クラウドファンディングです。公式サイトには「当サイトは、株式会社ランドネット(東証スタンダード市場に上場)の運営するサービスです。」と記載されています。
で、サービスの説明ページには特徴が並んでいます。そこに書いてある数字は、そのサービスで扱う商品の範囲です。いっぽうファンド一覧に並ぶ個別のファンドには、そのファンドの条件が書いてある。この2つは役割が違います。
白状すると、私は最初これを分けて読んでいませんでした。説明ページの数字を見て「だいたいこれくらいなんだな」と決めて、そのままファンドを探しに行く。ChatGPTに『このサービスの利回りってどれくらい?』と聞いても、返ってくるのは説明ページ側の一般論なんですよね。個別の条件は、自分でファンドのページを開かないと出てきません。
説明ページ側の記述を、そのまま引きます。
3%から8%。幅があります。では実際のファンドはどうか。2026年9月23日時点でファンド一覧の1ページ目に出ていた直近5本を、表示のまま書き出します(一覧は全8ページあり、ここで見たのはその1ページ目です)。
| ファンド | 状態 | 年予定利回り | 運用期間 | 募集金額 | 応募率 |
|---|---|---|---|---|---|
| LSEED#36 | 募集中(先着) | 4.0% | 1年 | 94,460,000円 | 48.2% |
| LSEED#35 | 運用中(先着) | 4.0% | 1年 | 86,050,000円 | 111.9% |
| LSEED#34 | 運用中(先着) | 4.0% | 1年 | 72,500,000円 | 117.5% |
| LSEED#33 | 運用中(先着) | 4.5% | 1年 | 68,220,000円 | 137.1% |
| LSEED#32 | 運用中(先着) | 4.5% | 1年 | 69,570,000円 | 105.4% |
(LSEED公式サイトのファンド一覧・1ページ目の5本。2026年9月23日時点の表示)
直近5本は4.0%〜4.5%でした。説明ページの幅(3%〜8%)の中には収まっていますが、下のほうです。8%という上端だけを見て期待値にしていたら、だいぶずれます。
これは嘘でも誇張でもありません。幅は「このサービスで過去に扱った/扱いうる範囲」で、直近の水準とは別の情報だというだけです。私は幅を見つけたら、幅の真ん中でも上端でもなく、いま募集しているファンドの数字を見るようにしています。
ここがいちばんはっきり分かれました。説明ページの「ご利用の流れ」には、こう書かれています。
抽選、と書いてあります。ところが上の表のとおり、直近5本にはいずれも「先着」の表示が付いていました。
| どこを見たか | 募集方式 |
|---|---|
| 説明ページ「ご利用の流れ」STEP 4 | 募集期間が終了したら抽選 |
| ファンド一覧1ページ目の5本(2026年9月23日時点) | 5本とも「先着」 |
この違いは、準備することが変わるので実務的に効きます。抽選なら募集期間内に出しておけばよく、先着なら募集開始の時刻を押さえる必要がある。カレンダーに入れる予定の形が変わります。
実際、#36には「優先募集期間は終了しました」という表示も出ていました。同じ1本のファンドの中にも時間帯の区切りがあるということです。方式は各ファンドの表示で確かめる項目で、説明ページの記述を全ファンドに当てはめてはいけない、というのが今回の結論でした。
LSEEDには、他の不動産クラファンであまり見ない特徴があります。
このブログで前に見た2つとは正反対です。COMMOSUSは「保有期間中は、原則としてファンド持分の解約を行うことはできません」、TASUKI FUNDSは「自由に第三者へ譲渡することはできません」でした(TASUKI FUNDSの記事)。資金が拘束されるかどうかは、この種の商品を選ぶときのいちばん大きい分かれ目なので、ここは読みどころです。
ただし、同じ場所に但し書きが2つ付いています。
整理すると、①そもそも譲渡可能期間が設定されていないファンドがある ②設定されていても断られる場合がある。つまり「いつでも必ず現金化できる」という意味ではありません。
私はこの但し書きを読んでから、この仕組みを資金計画の前提には入れないことにしました。使えたらありがたいオプション、くらいの位置づけです。運用期間が1年なら、1年動かさずに済む額の範囲で考える。資金管理の記事で書いたのと同じで、先に決めるのは置ける額のほうです。
もう1つ、説明ページを読まないと気づきにくい項目がありました。
「例として、運用期間が1年以上のファンドでは」という限定つきの説明です。運用期間だけでなく、決算期をまたぐかどうかが配当に関わるということになります。
上の表のとおり直近5本はすべて運用期間1年だったので、この説明が効く可能性があります。自分が申し込むファンドの運用期間と、7月末という日付の関係は、詳細ページで確かめる項目です。ここは私の解釈を混ぜずに、公式の書き方のまま持っておくのが安全だと思っています。
リスクを抑える仕組みについても、数字と但し書きがセットです。
読み取れるのは2点です。①守られるのは「劣後出資分までの下落であれば」という条件つき ②割合そのものがファンドによって変わる。10%と30%では、吸収できる下落の幅が3倍違います。
あわせて、公式は「2026年7月現在での配当遅延や元本割れはございません。」とも記載しています。これはその時点までの実績であって、将来の保証ではありません。同じサイトのフッターには、こう書かれています。
なお運営会社の許可は「不動産特定共同事業 第1号事業者 許可番号 東京都知事 第117号」と表示されていました。第1号事業者という種別と、出し手が東京都知事であることが書いてあるので、照会先はそこになります。
説明ページの数字は、そのサービスの「だいたいの顔つき」を教えてくれます。ただ自分が入れるお金の条件は、そこには書いていない。幅を見つけたら、いま募集している1本の数字まで降りる。それだけで読み違いはかなり減りました。