先に答えを書きます。2026年9月中に適用される基準外国為替相場は、1米ドル=163円。日本銀行国際局が公表していて、公示日は2026年8月20日、財務大臣公示と明記されています。ここで大事なのは、この163円が月の途中で1円も動かないこと。私たちがFXの取引画面で見ている数字とは、そもそも役割が違います。私は最初、この2つを同じものだと思っていました。
日本銀行のサイトには「基準外国為替相場及び裁定外国為替相場(9月分)」というページがあります。冒頭に置かれているのは3行だけ。令和8年9月中において適用、2026年8月20日、日本銀行国際局、そして財務大臣公示。そのあとに「アメリカ合衆国通貨1米ドルにつき本邦通貨:163円」と続きます。
1円未満の端数がありません。163.42円でも162.87円でもなく、163円。市場の実勢を1円刻みに丸めた値が、その月ぜんぶに適用されます。
同じページの2番目に、裁定外国為替相場が表で載っています。9月分はこの6通貨です。
| 通貨 | 2026年9月中に適用される相場 |
|---|---|
| 1ユーロ | 186円 |
| 1スターリング・ポンド | 218円 |
| 1スイス・フラン | 201円 |
| 1カナダ・ドル | 116円 |
| 1中国元 | 24円 |
| 1スウェーデン・クローネ | 17円 |
こちらも全部が整数です。中国元24円、スウェーデン・クローネ17円。ふだんチャートで見ている小数点以下の細かさは、ここには出てきません。
気になったので、月分のページを4月までさかのぼって公示日と値を並べてみました。
| 適用される月 | 公示日 | 1米ドルにつき |
|---|---|---|
| 2026年4月分 | 2026年3月19日 | 155円 |
| 2026年5月分 | 2026年4月20日 | 159円 |
| 2026年6月分 | 2026年5月20日 | 159円 |
| 2026年7月分 | 2026年6月19日 | 158円 |
| 2026年8月分 | 2026年7月17日 | 161円 |
| 2026年9月分 | 2026年8月20日 | 163円 |
半年で155円から163円へ。5月分と6月分は同じ159円で、2か月続けて据え置かれています。7月分では158円へ1円下がりました。公示は前月の中旬から下旬、実際には19日・20日・17日と、月によってばらつきがあります。
この表を作って気づいたことがあります。半年で8円という幅は、その日その日のチャートを追っているときの感覚より、ずっと静かに見えるんですよね。同じ期間の市場のレートは、1日で1円以上動いた日も普通にあったはずです。同じ通貨を、違う目盛りで見ているということだと思っています。
6通貨以外は、その他の通貨としてまとめて扱われます。公表文の書き方はこうです。
令和8年7月中の当該通貨のアメリカ合衆国通貨に対する市場実勢を基準外国為替相場をもって裁定した相場
日本銀行「基準外国為替相場及び裁定外国為替相場(9月分)」
9月分なら、前々月にあたる令和8年7月中の対米ドル実勢が土台です。同じページの「参考」欄には、その実勢が通貨ごとに並んでいます。抜き出すとこんな数字。
やり方が書いてあるので、手で追えます。トルコ・リラなら0.0212×163で、1リラあたり3.4556円。南アフリカ・ラントなら0.0607×163で9.8941円。基準の163円に、前々月の対米ドル実勢を掛ける。それだけの計算です。
ちなみに単位に注意で、韓国ウォンとベトナム・ドンは「100通貨につき」で書かれています。私はここを1通貨あたりだと思って計算し、桁がまるごとずれました。表の左端の数字まで含めて1セットです。
役割の違いを、私は自分用にこう整理しました。
| 基準外国為替相場 | FXの取引画面のレート | |
|---|---|---|
| 決める人 | 財務大臣が公示(日本銀行国際局が公表) | 市場での取引 |
| 更新のタイミング | 月に1度。前月中旬〜下旬に公示 | 取引時間中はずっと |
| 細かさ | 9月分は1米ドル=163円と整数 | 0.1銭単位で提示されることが多い |
| ずれるか | その月のあいだ動かない | 1日のうちに何度も動く |
ロスカットや証拠金維持率のように、自分の口座の中で効いてくる数字は取引画面側です。そちらはロスカットは業者の義務|金商業等府令123条とはで整理しました。業者を選ぶ前の確認についてはそのFX会社、金融庁に登録ある?確認手順のほうにまとめています。
正直に言うと、毎月チェックしているわけではありません。見るのは、円安・円高の話が大きくなったときに、自分の体感がどれくらいずれているかを測るためです。9月分が163円で、4月分が155円。この2つを並べると、半年でどこまで来たのかが1行で分かります。
チャートを開くと、直近1週間の細かい上下に目がいきます。私はそれで「今どのへんなんだっけ」を見失いがちなので、月に1回だけ動く目盛りを横に置くようにしました。増やす前に、いま自分がどこに立っているかを確かめる。順番としては、そこが先なんですよね。
公示日が近づいたら、日本銀行のページのURLを見てみてください。9月分は末尾がkiju2609、8月分はkiju2608という規則になっているので、月を差し替えるだけでさかのぼれます。