先に答えを書きます。ひまわり証券で必要な証拠金は「いくら」と決まった固定額ではなく、そのときのレートで動く金額です。個人の場合は各通貨ペアのレートにより決定され、取引額の4%相当。証拠金の25倍までの取引ができます。そして持ち方によって合算のされ方が変わります。同じ通貨ペアの売りと買いを同時に持つ両建てなら取引量が多い方だけ、通貨ペアを分けて持つならペアごとの素直な足し算。公式サイトにはこの3パターンの計算例が数字入りで置いてあるので、今日はそれを電卓で追います。
ひまわり証券は関東財務局長(金商)第150号の登録を受けた金融商品取引業者で、金融先物取引業協会の会員番号は1092です。扱うのは24通貨ペア。ドル・ユーロ・豪ドル・英ポンド・NZドル・スイスフラン・カナダドル・南アフリカランドを組み合わせたラインナップです。
その24ペアそれぞれについて、必要な証拠金が個別に決まります。公式の説明はこうです。
4%と25倍は同じことを裏表から言っています。100万円ぶんの取引に40,000円。逆に40,000円あれば100万円ぶんまで、という関係です。レートが上がれば同じ数量でも必要な金額は増えるので、口座に入れる額を決めるときはレートとセットで考える必要があります。
ちなみに法人は計算方法そのものが違って、為替リスク想定比率(金商業等府令第117条第27項第1号の定量的計算モデル)で決まります。個人の4%とは別ルールです。
白状すると、私が最初にFXを触った年、夏の薄い相場で値が飛んで戸惑ったことがありました。あのとき画面で見ていたのはレートと損益だけ。必要証拠金の欄はほとんど見ていなかったんですよね。数量を先に決めて、あとから残高を気にする順番になっていました。
ここからは公式が出している3つの計算例を順番に追います。3つとも同じ前提の上で書かれているので、まずその前提から。
この仮定を置いたうえで、いちばん単純な形。ドル/円を10,000ドルだけ買った場合、必要な証拠金は40,000円です。前提の数字がそのまま出てくるので、ここは迷いません。
迷うのは、ここからポジションが増えたときです。
要りません。ひまわりFXレギュラー口座では両建てが可能で、各通貨ペアごとの売りと買いで、取引量が多い方の証拠金が適用されます。
公式の例は、ドル/円10,000ドルの買いと、ドル/円20,000ドルの売りを同時に持った場合。答えは80,000円です。
足し算なら10,000ドルぶんの40,000円と20,000ドルぶんの80,000円で120,000円になりますが、そうはなりません。多い方の20,000ドルぶん、つまり80,000円だけが必要になります。買い10,000ドルぶんは、いわば売りの中に隠れる形。
ChatGPTに『両建てにしたら証拠金は倍になるの?』と聞いてみたことがあるんですが、返ってきたのは一般論でした。会社ごとにルールが違う話なので、それはそう。答えが書いてあったのは公式の計算例のほうです。
3つ目の例が、いちばん見落としやすいところだと思っています。ドル/円10,000ドルの買いと、ユーロ/円20,000ユーロの買いを持った場合。
ドル/円ぶんが40,000円。ユーロ/円は10,000ユーロあたり50,000円という前提なので、20,000ユーロで100,000円。合計は140,000円です。
両建てのときのような「多い方だけ」の扱いにはなりません。通貨ペアが違えば、そのまま足される。3つを並べると差がはっきりします。
| 持ち方 | 建玉 | 必要な証拠金 |
|---|---|---|
| 単一の通貨ペア | ドル/円 10,000ドルの買い | 40,000円 |
| 同じペアの両建て | ドル/円 10,000ドルの買い + 20,000ドルの売り | 80,000円(多い方の20,000ドルぶんを適用) |
| 別々の通貨ペア | ドル/円 10,000ドルの買い + ユーロ/円 20,000ユーロの買い | 140,000円(40,000円 + 100,000円) |
この表の数字について:いずれも「ドル/円10,000ドルあたり40,000円、ユーロ/円10,000ユーロあたり50,000円、取引の期間を週末クローズまで」という公式の仮定を置いた場合の例です。実際のレートで計算した金額とは違います。
分散のつもりで通貨ペアを増やすと、証拠金の側は分散されずに積み上がります。ここは相場観の話ではなく、口座の残高の話。ペアを1つ足すたびに、必要な金額も1つぶん足されると思っておくと、あとで慌てません。
公式サイトには通貨ペアごとの証拠金参考値が一覧で載っています。ただ、この表をそのまま自分の口座に当てはめると、桁がずれます。
ひまわり証券には口座が2種類あって、レギュラー口座の最小取引単位は10,000通貨、ループ・イフダン口座は1,000通貨。表は前者の単位で書かれているということです。自動売買の必要資金そのものの計算はひまわり証券のループ・イフダンは、いくらから動かせる?に別途まとめたので、ここでは単位の直し方だけ。
| 通貨ペア | 公式の仮定値(1万通貨あたり) | 1,000通貨あたりの目安(筆者の計算) |
|---|---|---|
| ドル/円 | 40,000円 | 4,000円 |
| ユーロ/円 | 50,000円 | 5,000円 |
右の列は、公式の計算例の仮定値を1/10した筆者の計算です。公式の証拠金参考値一覧に載っている金額ではありません。公式が示しているのは、1,000通貨単位の口座なら1万通貨あたりの表示の1/10が目安、という考え方のほう。金額そのものではありません。正確な額は取引画面で確認する——公式もそう書いています。
証拠金の一覧ページには、こういう注記が置かれています。
証拠金額はお客様に通知することなく、変更する場合があります
ひまわり証券「取引手数料・証拠金」
この一行をどう受け止めるか。私は「必要証拠金を一度メモしたら、それが翌週も同じとは限らない」という意味に読みました。4%という率が動くというより、レートが動けば金額が動く。そのうえで、金額そのものの見直しが入る可能性も残されている、という書き方です。
だから証拠金ぎりぎりの残高で持つと、自分の側が何もしなくても余力が削れる場面があります。維持率の考え方はレバレッジとロスカットの仕組みに、1回の取引で許容する損失から逆算する型は無理しないFXの資金管理ルールに書きました。
数字を追ったあとに残った、実務の手順です。
| 見る場所 | 確かめること | ずれていたら |
|---|---|---|
| 口座の種類 | レギュラー口座(10,000通貨単位)か、ループ・イフダン口座(1,000通貨単位)か | 参考値の桁を10分の1に直す |
| 通貨ペアごとの証拠金 | 公式の参考値ではなく、取引画面に出ている実際の金額 | 画面の数字を採用する |
| 建玉の持ち方 | 同じペアの両建てか、別々のペアか | 両建ては多い方、別ペアは合計で見積もる |
| 証拠金の合計と残高 | 合計に対して余力がどれだけ残るか | 数量を減らすか、ペアを絞る |
| 入出金と手数料 | 取引手数料、口座開設・維持費、クイック入金の振込手数料、出金手数料 | 公式の最新表示で確認する |
5行目について補足を。ひまわりFXは取引手数料が無料で、口座開設・維持費、クイック入金サービスを利用した振込手数料、出金手数料もすべて無料と案内されています。証拠金の一覧と手数料の案内は同じ導線にまとまっているので、確認するならそこが早い。
ひとつ補足を。公式の脚注には、ループ・イフダン口座を利用する際には投資助言報酬が別途発生し、その報酬はスプレッドに含まれると書かれています。手数料の欄が0円でも、口座タイプによって意味が違うということ。ここは前掲の必要資金の記事のほうで詳しく扱っています。
資産の保全についても同じ書き方です。ひまわり証券は全額信託保全を導入しています。ただし公式の注記には但し書きが添えられている。区分管理必要額の算出日と追加信託期限に時間差があること等から、いかなる状況でも必ず全額返還されることを保証するものではない、という一文です。
制度があることと、結果が約束されることは別。証拠金の額を自分で把握しておくのは、その隙間を自分で埋める作業だと思っています。40,000円なのか80,000円なのか140,000円なのか。持ち方を決める前に電卓を叩く、それだけの話です。