先に答えを書きます。DMM FXの看板になっている米ドル/円 0.2銭は、コアタイム(午前9時〜翌午前5時)の数字です。午前5時〜午前9時の欄には、同じ米ドル/円が0.2〜3.9銭と書かれています。そしてもうひとつ。少額で始めたい人にとっての本当の関門は、スプレッドではなく通常通貨ペアが10,000通貨単位という取引条件のほうでした。この2つを、DMM.com証券の公式ページで確かめた内容だけで整理します。
スプレッドの数字は、口座を比べるときに真っ先に目に入ります。小数点以下の一桁で並んでいて、小さいほうが良さそうに見える。私はその読み方をずっとしていました。0.2銭という数字が、いつの時間帯を指しているのかを見ていなかったんです。
DMM.com証券の基準スプレッドのページを開くと、表が2列で組まれています。左が「コアタイム(原則固定)午前9時〜翌午前5時」、右が「左記以外 午前5時〜午前9時」。看板に出てくる数字は、ほぼ左側です。
DMM FXそのものの全体像(どんな会社が運営しているか、初心者目線での特徴)は、以前DMM FXは初心者が「無理しない」始め方に向く?で書きました。この記事はその続きで、数字の条件だけを見ます。
DMM.com証券の基準スプレッド表は、コアタイム(原則固定・午前9時〜翌午前5時)と、それ以外(午前5時〜午前9時)の2列に分かれています。看板に出てくる数字は左列のほうで、右列は下限が同じでも上側に幅があります。
公式の一覧から、主な通貨ペアを抜き出します。円が絡むペアは「銭」、それ以外は「pips」表記です。
| 通貨ペア | コアタイム(原則固定) 午前9時〜翌午前5時 | 左記以外 午前5時〜午前9時 |
|---|---|---|
| 米ドル/円 | 0.2銭 | 0.2〜3.9銭 |
| ユーロ/円 | 0.4銭 | 0.4〜9.9銭 |
| 英ポンド/円 | 0.9銭 | 0.9〜14.9銭 |
| 豪ドル/円 | 0.5銭 | 0.5〜8.9銭 |
| NZドル/円 | 0.7銭 | 0.7〜11.9銭 |
| カナダドル/円 | 0.6銭 | 0.6〜10.9銭 |
| スイスフラン/円 | 0.8銭 | 0.8〜28.9銭 |
| 南アフリカランド/円 | 1.0銭 | 1.0〜2.9銭 |
| メキシコペソ/円 | 0.2銭 | 0.2〜1.9銭 |
| トルコリラ/円 | 1.4銭 | 1.4〜3.9銭 |
| ユーロ/米ドル | 0.3pips | 0.3〜4.9pips |
| 豪ドル/米ドル | 0.4pips | 0.4〜5.9pips |
右の列を縦に眺めると、印象が変わります。同じ「午前5時〜午前9時」でも、上限の幅は通貨ペアごとにまったく違う。この表のなかで最も幅が大きいのはスイスフラン/円で、0.8銭から28.9銭まで。逆に南アフリカランド/円は1.0〜2.9銭、メキシコペソ/円は0.2〜1.9銭で、上限が近いところに収まっています。
つまり「早朝は広がる」で一括りにできません。自分が触るつもりの通貨ペアの右の欄を見る。それだけで、その口座が自分の生活時間に合うかどうかの解像度が上がります。スプレッドという言葉自体があいまいな人は、先にスプレッドとスワップポイントとは?取引コストの基本を読んでおくと、この表の意味がつかみやすいはずです。
公式は同じページで、原則固定でもスプレッドが拡大する場合があること、そしてその拡大幅に上限はないことを明記しています。コアタイムの列に付いた「原則固定」は、常に固定という意味ではありません。
安心しきらないほうがいい理由が、同じページにちゃんと書いてありました。
スプレッドはAM9:00〜翌AM05:00の時間帯は原則固定だが、主要国の祝日や取引時間の終了前後、経済指標の発表時など、市場環境の変化や流動性の低下等により、拡大する可能性がある——公式はこう説明しています。原則固定は「常に固定」ではない、というのが会社側の宣言です。
そして、基準スプレッド表のすぐ下には続きがあります。
公式の記載(基準スプレッド表の直下):「上記スプレッドは固定されたスプレッドではありません。(中略)また、当社がカバー先等から受信するレートのスプレッドが拡大した場合は、お客様に配信する外国為替レートのスプレッドも拡大します。なお、その上限は一定値に限定されません。」
最後の一文が効きます。右の列の「0.2〜3.9銭」は、早朝に想定される幅として公式が示している数字であって、それ以上は広がらないと約束されたものではありません。3.9銭を最悪値として資金計算に組み込むと、前提を読み違えます。
私のAIの使い方:各社のスプレッド表をコピーして、ChatGPTに『この表を①適用時間帯 ②原則固定かどうか ③固定が外れる条件、の3つに分けて。書かれていない項目は「記載なし」と答えて』と頼んでいます。数字を比べる前に条件を並べておくと、そもそも同じ土俵に乗っていなかったと分かることが何度もありました。書かれていないものを書かせない一文は、毎回入れています。
銭という単位は、金額で見たほうがすぐに腹落ちします。DMM.com証券の公式ページに、こんな計算例がありました。
この「20円の損失から始まる」という書き方が、私にはいちばん分かりやすかったです。買った瞬間の残高は、すでにマイナスから出発している。取引回数を増やすほどこの出発点が積み上がるという意味でもあります。
そして、この計算例は1Lot=10,000ドルを前提にしています。ここが、次の論点。
初回入金額の定めはなく取引手数料も無料ですが、通常通貨ペアの最小取引単位は10,000通貨です。少額で始めたい人が最初にぶつかるのは、スプレッドの小数点ではなくこの1行のほうでした。
DMM.com証券のサービス概要から、取引条件を並べます。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 取引単位(通常通貨ペア) | 10,000通貨単位 |
| 取引単位(ミニ通貨ペア) | 1,000通貨単位 |
| 取引単位(ラージ通貨ペア) | 10,000通貨単位 |
| 取引銘柄 | 通常23通貨ペア/ミニ4通貨ペア/ラージ4通貨ペア |
| 初回入金額 | なし |
| 取引手数料 | 無料 |
| アカウント管理手数料 | 無料 |
| レバレッジ | 個人アカウント25倍(証拠金額は総約定代金の約4%) |
初回入金額の定めがない、というのは入り口としてやさしい条件です。手数料も無料。ただし、実際にポジションを1つ持つときの最小サイズは通常通貨ペアで10,000通貨。ここは動かせません。
このブログでずっと書いてきた「無理しない」は、金額を小さくして値動きへの反応を鈍らせることでもあります。少額FX(1000通貨)で無理なく始めるメリットで整理したとおり、同じ値幅でも数量が10分の1なら損益の振れも10分の1です。10,000通貨からという条件は、その考え方とは方向が違う。良い悪いではなく、合う合わないの話として先に確認しておく項目だと思っています。
ミニ通貨ペアなら1,000通貨で持てますが、そこには基準スプレッド(原則固定)が付いてきません。少額と原則固定は、この口座では同時に取れない組み合わせです。
では1,000通貨で持ちたい場合はどうするか。対象はUSM/JPY・EUM/JPY・GBM/JPY・AUM/JPYの4本です。
ここで、もう一度スプレッドのページに戻ります。公式にはこう書かれています。ミニ通貨ペア・ラージ通貨ペアは、基準スプレッド(原則固定)がございません。
並べると構造がはっきりします。
| 選ぶもの | 取引単位 | 基準スプレッド(原則固定) |
|---|---|---|
| 通常通貨ペア(23本) | 10,000通貨単位 | あり(コアタイムは原則固定) |
| ミニ通貨ペア(4本) | 1,000通貨単位 | なし |
| ラージ通貨ペア(4本) | 10,000通貨単位 | なし |
看板の0.2銭は通常通貨ペアの数字で、少額で持てるミニのほうには原則固定が付いていない。「安さ」と「少額」が同じ列に並んでいないということです。どちらを優先するかは、人によって答えが割れるところだと思います。私はここを、良し悪しではなく設計上の選択として読みました。
スプレッドの話を、口座の時間割に重ねます。公式のサービス概要から、時間に関する記載を拾いました。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 取引時間(夏時間) | 月曜07時00分〜土曜05時50分 |
| 取引時間(冬時間) | 月曜07時00分〜土曜06時50分 |
| メンテナンス | 土曜12時00分〜18時00分 |
| ロスカット | 証拠金維持率が50%以下となった場合 |
| 追加証拠金 | 証拠金維持率判定時刻に維持率が100%を下回った場合に発生 |
| マージンカット | 追加証拠金が発生日の翌04時59分までに0円とならなければ、同日05時00分に執行 |
気になったのは05時00分という時刻でした。マージンカットが執行される時刻であり、同時に、基準スプレッド表でコアタイムが終わる時刻でもあります。追加証拠金を解消できるかどうかの締め切り(翌04時59分)は、その直前です。
ここから先は、私が数字を並べて考えたことです。証拠金に余裕がない状態を朝までまたぐと、対応の締め切りと、スプレッドの前提が切り替わる時刻が近づいてくる。だから、余裕のない状態を持ち越さない設計を先に決めておきたい、と読みました。維持率や必要証拠金の計算そのものはレバレッジとロスカットの仕組み(リスクを正しく知る)にまとめてあります。
会社員だと、朝の時間はいちばん動けない時間帯でもあります。通勤前にアプリを開いて判断する前提の設計は、私には無理でした。だから金額のほうを先に小さくしておく。順番としては、こちらが先です。
コスト面と、預けたお金の扱いについても公式の記載を確認しました。
出金が無料なのはうれしい一方で、全額出金でない場合は2,000円以上からという条件が付いています。少額で試すつもりの人ほど、この下限は先に頭へ入れておきたいところ。数百円だけ引き出す、という動きはできない前提になります。
登録番号を確認する習慣:第一種金融商品取引業者の登録番号(関東財務局長(金商)第1629号)は、金融庁の免許・許可・登録等を受けている業者一覧で照合できます。口座を開く前に番号で引く。この一手間は、どの会社を見るときも私は変えていません。
推奨はしません。ただ、事実を並べただけで終わると使いにくいので、自分の読み方を書きます。
まず0.2銭について。日中に取引する人にとっては、素直に見やすい数字だと思いました。コアタイムは午前9時から翌午前5時までと長く、会社員の生活時間の多くがこの中に入ります。一方で、朝の時間帯に触る習慣がある人は、右の列の数字で判断したほうが実態に近い。米ドル/円の0.2〜3.9銭という幅は、左の0.2銭とは別の顔です。
取引単位のほうは、もう少し悩みました。私のように「まず数百円分だけ持って値動きを体感したい」という入り方をしたい人には、通常通貨ペアの10,000通貨は大きい。ミニなら1,000通貨ですが、そこには原則固定のスプレッドが付いてこない。この2つを同時に満たす選択肢は、この口座の中にはないという理解でいます。
私の結論は、順位付けではなく用途の切り分けです。原則固定のスプレッドで日中に取引したい人と、とにかく小さい数量から慣れたい人とでは、同じ口座でも見るべき欄が違う。自分がどちらなのかを先に決めておけば、他社の一覧表を眺める時間もかなり短くなります。
私がFXを始めた最初の夏は、値が動かない日が続いて拍子抜けしました。数字の条件を細かく見るようになったのは、そのあとです。動かない時期に条件を読み込んでおくと、動いたときに慌てなくて済む。金額の決め方は無理しないFXの資金管理ルール(リスク管理の型)に書いたとおりで、私は今もそこから動かしていません。
今日の一歩は、自分が触るつもりの通貨ペアを1つ決めて、その行の右の欄をメモすること。左の数字だけで比べていた状態から抜けられます。焦らず、自分のペースで。